登山の楽しみは人それぞれです。
とはいえ、登山の最大の楽しみは「絶景」と答える人も多いのではないでしょうか。
しかも、自分の足で登った山の頂きから見た景色は格別です。
山に登る途中で見た景色が、あまりに美しくて疲れを吹き飛ばしてくれることもあります。
それが、「また山に登ろう!」という気持ちにさせてくれるもの。
それが登山における絶景の魅力です。
そんな【登山と絶景】について山岳会に40年以上所属するベテラン登山者に教えてもらいました。
今回は、初心者はぜひとも押さえておいてほしいとおススメされた5つの絶景をお伝えします。
【登山と絶景】赤岳のアーベントロート
標高2,899 mの赤岳は、日本百名山に数えられる八ヶ岳の最高峰です。
赤岳がある八ヶ岳は長野県と山梨県にまたがって南北に広がる山々の総称で、ひとつの山ではありません。
そのため八ヶ岳は多様性に富んでおり、北部と南部では大きく異なる表情を見せます。
北八ヶ岳と呼ばれる北部は、登山からハイキングまで楽しめるおだやかなエリアで、生い茂る原生林と池沼が広がっています。
一方、南八ヶ岳と呼ばれる南部は、最高峰の赤岳を筆頭に、横岳、硫黄岳などの2000m級の雄大な山々がそびえます。
荒々しい岩場や急峻な地形も多く、ロッククライミングが楽しめるようなエリアとなっています。赤岳はこの荒々しい表情を見せる八ヶ岳の南部にあります。
この赤岳を最も美しく見せてくれるのが、アーベントロートだとベテラン登山者は教えてくれました。
アーベントロートとは、夕日が山肌を赤く染めることを言います。
火山活動によりできた八ヶ岳。その最高峰である赤岳は、噴出して固まった溶岩による酸化鉄を多く含むことから赤い山肌をしています。。
そんな赤色の赤岳が、夕日により染め上げられることで、より一層の輝きを増す瞬間。
それがひとつめの絶景、赤岳のアーベントロートです。
【登山と絶景】涸沢カールのモルゲンロート
夕日に染まる山がアーベントロートなら、朝日に輝く山はモルゲンロートと言われます。
山が最も美しく見える時がモルゲンロートだとベテラン登山者は教えてくれました。
そして、モルゲンロートの美しさを最も伝えてくれる場所。それが涸沢カールです
涸沢カールは長野県松本市にある氷河の浸食によってできた椀状の谷です。
標高3000m級の山々がそびえる穂高連峰にあります。
日本で3番目に高い標高3190mの奥穂高岳と、こちらも3000m級の涸沢岳、前穂高岳の山々が巨大なスプーンでえぐられたような形をしています。
この涸沢カールは登山者であれば誰もが認める日本一の紅葉スポットと言われています。
最盛期の9月下旬~10月中旬にかけては、紅葉を見に訪れた登山者によって数百ものテントが張られ、色とりどりのテントが並ぶ風景も涸沢カールの名物となっています。
この涸沢カールにテントを張る登山者の多くが目的とするもの、それがモルゲンロートです。
夜が明け始めると穂高の山々を朝日が照らします。
しだいに日は高くなり、赤や黄の紅葉も照らし始めます。
日本一の紅葉スポットが最も精彩を放つとき、それが涸沢カールのモルゲンロートです。
涸沢カールのモルゲンロート
【登山と絶景】初心者は8合目から!富士のご来光
絶景の定番とも言える富士山のご来光。
日本一の山から見る日の出の素晴らしさは、多くを語る必要がないと思います。
とはいえ、富士のご来光は、8合目付近の山小屋からでも十分に絶景を楽しめるとベテラン登山者は教えてくれました。
ここで、8合目から見るときのポイントや注意点を簡単に説明いたします。
ご来光の時刻前の山頂付近は混雑している
ご来光の時刻である朝の5時前後は、富士の山頂へと向かう人でとても混雑しています。
山頂でご来光を見ようと思っても混雑のため見れないということもあります。
ご来光に間に合わせようと夜通し急いで登ると、高山病になるリスクも高まりますので注意が必要です。
時間に余裕をもって計画しましょう。
山小屋からでも十分美しい絶景が見られる
山梨県側の吉田口登山道では、どこからでも美しいご来光を見ることができます。
8合目付近の山小屋で十分に絶景を楽しめます。
山小屋でゆっくりと体を休めてから、ご来光を見ましょう。
とくに初心者の方は、山小屋の前でご来光を見てからゆっくりと頂上を目指すことをおススメしています。
【登山と絶景】360度の絶景に囲まれた大パノラマ、梅丈岳
福井県美浜町にある梅丈岳は、三方富士という名で知られた景勝地です。
梅丈岳からは、荒々しく雄大な日本海、優美な三方五胡といった絶景が展望できます。
そして、白い砂浜と青々とした松林が続く若狭湾国定公園のリアス式海岸。
360度が壮大な自然に囲まれた梅丈岳は、周囲のどこを見ても絶景を楽しむことが出来ます。
www.jalan.net スロウに旅する 三方五湖の休日 | | 三方五湖 :参考「じゃらん」
山の麓には梅林が広がっており、梅の名所としても知られています。
梅の花が咲く2月下旬~3月中旬には、美しい梅林も楽しむことが出来ます。
360度ぐるっと見渡せる大パノラマが楽しめる梅丈岳の山頂には、景色を楽しむテラスやカフェなどが整備された「レインボーライン山頂公園」があります。
レインボーライン山頂公園へは、レインボーライン(三方五湖有料道路)を通行し山の麓まで行ってから、リフトかケーブルカーを使って登ることも可能です。
梅丈岳は登山に自信のない初心者でも気軽に楽しむことが出来ると、ベテラン登山者はおススメします。
ここは天国か!琵琶湖とお花畑の絶景を楽しむ伊吹山
滋賀県で最高峰の伊吹山。
その山頂には一面にお花畑があります。
春から秋にかけて様々な花が咲き、その花を目当てに多くの観光客が訪れます。
引用:https://www.travel.co.jp/guide/article/19376/
そして、山頂からは日本一大きな湖、琵琶湖が一望できます。
天気の良い早朝には雲海が見えることも!
お花畑から雲海越しに琵琶湖を見下ろす。
その絶景は、ここは天国かと思うほど美しいと、ベテラン登山者は言います。
伊吹山は、9合目にある展望施設「スカイテラス伊吹山」まで車で行くことができます。
そこから山頂までは、ゆっくり歩いても1時間もかからないとのこと。
初心者にもおススメの絶景スポットだとベテラン登山者は教えくれました。
【登山と絶景】ベテラン登山者のおすすめ・まとめ
今回は登山の初心者が押さえておくべき絶景5つをベテラン登山者に伝授していただきました。
最後にもう一度、押さえておくべき5つの絶景をまとめます。
ポイント
- 荒々しく赤い山が夕焼けで真っ赤に染まる絶景を楽しむ赤岳
- 日本一の紅葉スポットが最も美しく輝く絶景を楽しむ涸沢カール
- 安全でゆとりのある日の出の絶景を楽しむ富士山8合目
- 見渡せば360度絶景の大パノラマを楽しむ梅丈岳
- 山頂のお花畑から日本一の湖を見下ろせば、天国と見間違う絶景が広がる伊吹山
どの山に登ればよいか迷ったら、まずは絶景が楽しめる山から登ってみてはいかがでしょうか。